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小学生のための日本伝統文化「ふしぎな冬のおもち」

更新日:5 日前



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ふしぎな冬のおもち “氷餅”ってなに?

みんなが 大すきな おもち

お正月に食べたり おやつに焼いて食べたり

ねりきりにも入っているんだよね


でもね 日本には

ふつうのおもちとは全然ちがう

すごくふしぎなおもちがあるんだよ


その名前は 氷餅(こおりもち) といいます



ふつうのおもちと同じで

もち米からできているんだけど、

つくり方がとてもとても特別


氷餅は 長野県という

冬がとても寒いところで生まれたおもち

むかしの人たちが

おもちを長く食べるために考えだした知恵なんです



どうやって作るの?


氷餅は

外につるして 凍らせて 溶けて また凍る を

冬のあいだずっとくり返して作ります


夜はすごく寒くてカチカチに凍って

朝になって、お日さまが出ると 少しだけ溶けて

夕方になると、また冷えて凍る


これを何回も何回もくり返すと

おもちの中の水がすーっと抜けていく


そうすると、

とっても軽くて

手に持つとコロンと音がする

ふしぎなおもちができあがる


フリーズドライって、聞いたことあるかな?

氷餅は、自然がつくってくれる

フリーズドライみたいだね


氷餅ってどんな味?


そのまま食べると

かるくて ほとんど味がしないけれど

お湯をかけるとふわっとふくらむ

おしるこに入れたり

砂糖をまぶしたり

いろんな食べ方もできるみたい


むかしの人たちは

冬に作った氷餅を

春になっても夏になっても食べられるように

大切にしまっていたんだって



氷餅には

冬の寒さを味方にする知恵 がつまっている

冷蔵庫がないころ

自然の力をよく観察して

くらしを工夫してきた人たちの想いが残っているんだよ


氷餅を手に取ったら

軽さや音を感じてみてほしいです

きっと

「どうしてこんなふうになるんだろう」と

新しいなぞが生まれるかもしれないね


・教室でつくるお菓子はこちら →見る


おうちのかたへ:氷餅は、冷蔵庫のない時代、春まで安全に食べ物を残したいという暮らしの願いから季節の力をまっすぐに受け取り知恵に変えてきた人びとの姿が感じられる食文化です。お子さんには氷餅の軽さを手で感じたり音を感じたり、「どうしてこうなるのかな」と考える体験になればうれしいです。

冬の気候と食べ物がつながること、昔の人が工夫を重ねて暮らしていたこと、自然とともに生きる知恵の美しさを感じてもらえたらうれしく思います。

和菓子づくりは、季節の移ろいと知恵がぎゅっと詰まった学びの場です。今月の小さな出会いがお子さんの心の中に、またひとつ やさしい発見として残りますように。


 
 
 

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