小学生の今が未来につながる。卒業後にも残る“感性の芽”
- 一般社団法人こどもわがし協会

- 5月26日
- 読了時間: 3分
更新日:6月11日
習い事の「その後」が気になる保護者の方へ
子どもに習い事をさせるとき、多くの保護者が気にするのは「その時間が将来、何かに役立つのか」ということです。スポーツや英語など、目に見えるスキルの習得がゴールになりやすい習い事の中で、「和菓子教室」は少し異質かもしれません。
けれど、私たちが大切にしているのは、目に見えにくい“感性”の育ちです。そしてその感性こそが、卒業後にも、子どもたちの心の中に残っていくものだと信じています。
小学5・6年生の変化:「自分らしさ」への気づき
小学校高学年になると、和菓子づくりにも変化が見られるようになります。ただお手本をまねるだけでなく、「もっとこうしたらきれいになるかも」、「春らしい色にしたいな」と、自分なりの工夫が加わり始めるのです。
また、年下の子に教えてあげたり、「こうするとやりやすいよ」と声をかけたりする姿も見られるようになります。これは、単なるテクニックの習得ではありません。「伝える力」や「責任感」、「他者へのまなざし」が自然と育ってきた証拠です。
「その子らしさ」がにじむ表現力
和菓子は、形や色にある程度の型がある一方で、「どんなふうに作るか」には無限の自由があります。たとえば「あじさい」をテーマにしても、花びらの形、色のグラデーション、配置のバランスなどに、ひとりひとりの個性があらわれます。
「みんなちがって、みんないい」という感覚を、作品を通して体感できるのも、和菓子ならではの魅力です。作品づくりを通して、子どもたちは「自分の感性を信じること」を少しずつ覚えていきます。
卒業後も生き続ける「手でつくる記憶」
和菓子教室を卒業した子どもたちが、どんな大人になるか。それはまだ誰にもわかりません。でも、「手を動かして丁寧につくることの心地よさ」や、「小さな達成感を積み重ねた経験」は、将来きっと何かのかたちで、その子の力になってくれると信じています。
家庭科や美術の授業、部活動や受験勉強の中でも、集中力、創造力、自己管理の力は問われます。和菓子づくりで育った感性やこだわりが、そのベースになるはずです。
今育てているのは、未来の“根っこ”
和菓子づくりは、派手な成果が出るものではありません。でも、子どもたちが時間をかけて形にする作品には、未来につながる力がぎゅっと詰まっています。
自分で工夫して表現する力、思いやりをもって人と関わる力、そして、自分自身に満足する力——それらは、きっとこの先、どんな進路を選んでも子どもの中に残る“根っこ”になるのです。
卒業しても、あのとき「自分の手でつくった」という記憶が、その子らしさを支えてくれる。そんな習い事でありたいと、私たちは願っています。
コメント