「子どもと和菓子を作ること」の奥深さ その2
- こどもわがし教室 Mari Masuda

- 7月18日
- 読了時間: 2分
更新日:7月26日
おうちの方のための「オトナワガシ講座」を通して、感じたこと。
それは、「おうちの方がつくる和菓子」と「お子さんと一緒につくる和菓子」は全く違うということでした。
こどもわがし教室では、年間延べ1000名を超える子どもたちと和菓子を作ります。
対象は3歳から小学6年生。
その中で、子ども達と一緒に作るねりきりには、法則があることに気づきました。
同じ和菓子を作るとしても、
大人に教えるときと、子どもに教えるときでは、
教える順番も、使う道具も、かける言葉も全然違う。
たとえば──
和菓子の世界では、絹素材のふきんを使って生地に装飾を入れる技法があります。
でも、空間認識能力が発達途中の小さな子にとっては、
この作業はとても複雑に感じることが多い。
だから、私の教室では別のものを使って同じ効果が出せる方法を伝えます。
また、三角棒という道具を使って線を入れる作業も、
ある年齢未満の子どもは、必ずと言っていいほど見本と違う一定の方向に線を入れます。
おうちの方は「うちの子、大丈夫ですか?」と心配されますが、
それはその年齢なら“よくあること”で、まったく問題ありません。
むしろ「そうなる時期なんですよ」とお伝えすると、
ほっとされる方がとても多いのです。
そんな発見を重ねる中で、私は思いました。
子どもと和菓子を作るということは、
単に作り方を教える以上に、関わり方を知ることでもあるということ。
たとえば、小学生になると、細部にこだわりが出てきます。
でも一方で、思い通りにいかない場面では、心が折れそうになってしまうことも。
だからこそ「ここをフォローすると安心できるよ」という見守り方も、
あわせてお伝えしたほうが、こころ豊かに和菓子作りを楽しめる。
和菓子をつくる時間は、
親子でそっと向き合いながら、
日本の文化にふれるひとときです。
そして同時に、
お子さんの成長をそばで感じられる、あたたかな時間でもあります。
こどもわがし教室では、
お子さんが自分の手で形にしていくのを、
おうちの方が少し離れた場所から見守ります。
おうちでつくる和菓子は、
そばにいる大人が、いっしょに学びながら寄り添う──
そんな関わり方が自然にうまれていきます。
どちらも、
「子どもの力を信じて、応援する大人の姿」 それは
やさしいまなざしがあってこそ、成り立つ時間です。
そんな“おうちの和菓子時間”を、
日々の暮らしの中に、いっしょにゆっくりと育てること、そのお手伝いができたらいいなと思うようになりました。
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