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「子どもと和菓子を作ること」の奥深さ その2

更新日:7月26日

おうちの方のための「オトナワガシ講座」を通して、感じたこと。


それは、「おうちの方がつくる和菓子」と「お子さんと一緒につくる和菓子」は全く違うということでした。


こどもわがし教室では、年間延べ1000名を超える子どもたちと和菓子を作ります。

対象は3歳から小学6年生。

その中で、子ども達と一緒に作るねりきりには、法則があることに気づきました。


同じ和菓子を作るとしても、

大人に教えるときと、子どもに教えるときでは、

教える順番も、使う道具も、かける言葉も全然違う。


たとえば──

和菓子の世界では、絹素材のふきんを使って生地に装飾を入れる技法があります。

でも、空間認識能力が発達途中の小さな子にとっては、

この作業はとても複雑に感じることが多い。

だから、私の教室では別のものを使って同じ効果が出せる方法を伝えます。


また、三角棒という道具を使って線を入れる作業も、

ある年齢未満の子どもは、必ずと言っていいほど見本と違う一定の方向に線を入れます。


おうちの方は「うちの子、大丈夫ですか?」と心配されますが、

それはその年齢なら“よくあること”で、まったく問題ありません。

むしろ「そうなる時期なんですよ」とお伝えすると、

ほっとされる方がとても多いのです。


そんな発見を重ねる中で、私は思いました。


子どもと和菓子を作るということは、

単に作り方を教える以上に、関わり方を知ることでもあるということ。


たとえば、小学生になると、細部にこだわりが出てきます。

でも一方で、思い通りにいかない場面では、心が折れそうになってしまうことも。


だからこそ「ここをフォローすると安心できるよ」という見守り方も、

あわせてお伝えしたほうが、こころ豊かに和菓子作りを楽しめる。



和菓子をつくる時間は、

親子でそっと向き合いながら、

日本の文化にふれるひとときです。

そして同時に、

お子さんの成長をそばで感じられる、あたたかな時間でもあります。


こどもわがし教室では、

お子さんが自分の手で形にしていくのを、

おうちの方が少し離れた場所から見守ります。


おうちでつくる和菓子は、

そばにいる大人が、いっしょに学びながら寄り添う──

そんな関わり方が自然にうまれていきます。


どちらも、

「子どもの力を信じて、応援する大人の姿」 それは

やさしいまなざしがあってこそ、成り立つ時間です。



そんな“おうちの和菓子時間”を、

日々の暮らしの中に、いっしょにゆっくりと育てること、そのお手伝いができたらいいなと思うようになりました。



 
 
 

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