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「子どもと和菓子を作ること」の奥深さ その1

更新日:7月26日

少し前まで、私は「オトナワガシ教室」という、

おうちの方を対象にした和菓子講座を開催していました。


初級・中級と進むことができて、ねりきり生地も一から作る。

その流れのなかで、みなさんどんどん上達されて、

「おうちでも子どもと作ってみました!」という声を聞けたときは、本当にうれしかったです。


でも──実は、その頃、心がちくちくすることもありました。

往復2時間以上かけて通ってくださる方、

飛行機や新幹線でお越しくださる方までいらっしゃいました。


赤ちゃんを抱えながら参加される方も多く、

生後半年未満のお子さんがいるお母さんたちと相談して、

保育士さんにベビーシッターとして来てもらった時期もあります。


教室の時間は、本当に豊かで、贅沢で、かけがえのないものでした。

でも、いつも思っていました。


みなさん、この時間のために、お子さんを預けて来てくださっている。

和菓子を学びたい気持ちがあっても、

そこにたどり着くまでのハードルは、決して低くない。


だからこそ、

大人にこそ、コツコツ、隙間時間に学べる環境が必要だと、

ずっと心のどこかで思っていました。


大人は理論からじっくり学ぶから和菓子作りが上手になる

──子どもとは違う和菓子づくりのポイント


和菓子作りを学ぶとき、大人と子どもでは学び方が大きく違います。大人は材料や道具の特徴、生地の硬さや色の出し方などを理論的に理解しながら、一つひとつ丁寧に集中して取り組みます。そうすることで、効率よく上達していけるのです。


一方で、子どもは手先の発達や集中できる時間もまだまだ成長途中です。子どもと一緒に和菓子を作るときは、理屈を押し付けるよりも、五感を使って楽しんだり、経験を積みながら感覚を育てていくことが大切だと感じます。


また、大人にとって「子どもを預けて教室にまとめて通う時間をつくる」ことは、とてもハードルが高いものです。だからこそ、隙間時間に少しずつ理論や技術を学べる環境が必要だと私は強く思っています。忙しい毎日の中でも、無理なく和菓子作りの楽しさを深められるように。


そして何より、大人が「子どもを預けて対面の教室にまとめて通う時間」を確保することは、実はとてもハードルが高いもの。だからこそ、理論や技術を隙間時間に少しずつ学べる環境が必要だと私は強く感じています。これなら忙しい日常のなかでも、無理なく和菓子作りを深めていくことができます。


このように、「大人が理論からじっくり学ぶ時間」と「子どもといっしょに楽しみながら作る時間」は全く違う体験です。それぞれに合った学び方を知ることが、和菓子作りを家族で楽しむ第一歩になると思います。


次回のおたよりでは、「お子さんと一緒につくる和菓子」の魅力や奥深さについてお話ししたいと思います。どうぞお楽しみに。

 
 
 

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