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「和菓子×教育」を文化にする──小さな教室から始まった新しい挑戦

更新日:5 日前

「和菓子で子どもを育てる」という挑戦


「和菓子で子どもを育てたい」——一見、意外に聞こえるかもしれません。けれど私は、日々教室で子どもたちと向き合う中で、この言葉に確信を深めてきました。和菓子づくりには、子どもたちの“非認知能力”を自然に育てる要素が詰まっています。集中力、感性、自己肯定感、そして他者への思いやり。これらは、学力や成績では測れない、人生の土台となる力です。


本記事では、和菓子と教育の接点を体系的にまとめながら、なぜ今、この取り組みが必要とされているのか、そしてこれからの教育の新しい可能性について提案します。


教育としての和菓子:感性・集中力・文化を育む体験


和菓子づくりは、ただの「お菓子作り」ではありません。小さな練り切りを仕上げるまでには、丁寧な手仕事、色や形の組み合わせ、季節のモチーフを表現する想像力が求められます。実際、教室に通う子どもたちの多くが、最初はじっと座っているのが難しかったり、失敗を恐れて手が止まったりしていました。


けれど回を重ねるうちに、「最後まで作りきる」「もう一回やってみる」「きれいに作るにはどうしたらいい?」と、自ら試行錯誤しながら挑戦する姿に変わっていくのです。

保護者からも、「家での集中力が目に見えて伸びた」「きょうだいへの接し方が変わった」など、心の成長を実感する声が寄せられています。


非認知能力を育む、和菓子という“習い事以上”の学び

非認知能力とは、学力テストでは測れない「生きる力」のこと。たとえば、自分の気持ちを言葉にできる力、失敗を受け入れてやり直す力、他者の立場に立って考える力。


和菓子づくりは、この“非認知能力”を自然に育ててくれる場でもあります。

自分の手でつくり、評価されるのではなく「自分で納得のいく形に仕上げる」。これは、アートや音楽と同じく、自己表現の一種です。そこに、「型を守る」「季節を感じる」といった日本文化の文脈が加わることで、子どもの感性は一層深く育っていきます。


「和菓子×教育」はなぜ今、必要とされているのか?


現代の子どもたちは、情報や刺激にはあふれている一方で、自分の感覚を内側から耕すような体験が減っています。タブレットやテレビなど、視覚的な刺激に受け身で触れる時間が長くなっている今だからこそ、「手で感じる」「作って伝える」体験の価値は見直されるべきです。


また、STEAM教育やグローバル教育が注目される中、日本独自の感性や文化を「体験」として学ぶ機会はほとんどありません。和菓子という切り口は、こうした時代の課題に対する新しいアンサーになり得ると感じています。


書籍化という次のステップへ:私の提案と願い


この取り組みを、より多くの家庭や教育現場に届けるために——今、私は書籍化を目指しています。書籍で伝えたいのは、「和菓子×教育」というジャンルの可能性そのもの。

教室でのエピソード、保護者の声、幼児発達や教育理論とのつながり、家庭でできる和の手仕事の実践例までを網羅し、読者が「我が子にもやってみたい」と思える一冊にしたいと考えています。


願わくはこの本が、保護者や教育者、そして文化を未来につなげたいと願うすべての方々と私をつなぐ“架け橋”となりますように。


一人でも多くの子どもに、この体験を


和菓子で子どもを育てる——

それは、華やかな趣味ではなく、子どもたちの「心の土台を耕す」ための地道な教育活動です。


この取り組みを、さらに多くの人と共有し、広げていくために。

私はこれからも、現場での学びを深めながら、発信を続けていきたいと思います。


そして、同じ想いをもつ方々と出会い、つながりながら、未来に向けて「和菓子×教育」という新しい文化を育てていけたらと願っています。

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