「和菓子で子どもを育てたい」——教室主宰者としての私の想い
- 一般社団法人こどもわがし協会
- 6月3日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前
“和菓子で子どもを育てたい”というのは、和菓子づくりを通して、子どもたちの心の豊かさや、手を動かして形にする喜びを感じてほしいという願いです。
「和菓子で子どもを育てたい」と思ったきっかけ
私が「和菓子で子どもを育てたい」と強く思うようになったのは、自分の子育てや教室での経験を通じて、「作る」ことが子どもに与える力を実感したからです。
手を動かし、自分の感性を表現し、完成した作品を誇らしげに見せる子どもたちの姿には、毎回驚きと感動があります。
はじめは、ただ「楽しそうだから」と始めた和菓子づくりでした。でも続けていく中で、そこに子どもの心の成長や、教育的な意味が多く詰まっていることに気づいたのです。
和菓子に込めた教育への想い
和菓子づくりは、ただの「お菓子づくり」ではありません。
四季の移ろいや伝統行事を題材にしながら、自分の手で形をつくり、色を選び、表現する——その過程そのものが、子どもたちの感性や集中力を養います。
そして何より、「自分の手でつくった」という経験は、子どもたちに深い自信と誇りを与えます。
「できた!」「上手にできたね!」という小さな達成の積み重ねが、自己肯定感をじわじわと育てていくのです。
たくさんの子どもたちと過ごして気づいたこと
これまでに延べ2,000人を超える子どもたちと和菓子づくりをしてきました。
人見知りだった子が月を追うごとに積極的になったり、「うまくできない…」と悔し涙を流していた子が、ある日満面の笑顔で完成品を見せてくれたり——そうした瞬間に、子どもたちは確かに「育っている」のだと実感します。
保護者の方からは、「家では見られない表情をしていた」「自信がついたようです」といった感想をいただくことも多く、家庭では気づきにくい成長を、教室という場だからこそ感じることができるのだと思います。
なぜ今、和菓子なのか?
デジタルが当たり前の時代。
私たちはつい「早く、正確に」情報を処理することばかりを子どもに求めがちです。でも、和菓子づくりのような“ゆっくりと、丁寧に、手を動かす”体験こそ、子どもたちに本当に必要な時間ではないでしょうか。
教育の世界では、「非認知能力(自己制御力、集中力、創造性など)」の重要性が注目されています。
和菓子づくりは、まさにこの非認知能力を自然と育む体験。
五感を使い、頭と心と手をつなぎながら、ひとつの作品を完成させる——そのプロセスにこそ、これからの時代に必要な力が詰まっているのです。
和菓子×教育という「分野」を社会に広げたい
私は、「和菓子で育てる教育」をひとつの“分野”として、社会に広げていきたいと考えています。この和菓子を通じた教育の価値を、もっと多くの方と分かち合えたらと願っています。
和菓子作りは、単なる趣味や娯楽ではなく、「生きる力」を育む教育の入り口になる。そう信じています。
子どもたちに伝えたいこと
私は、和菓子教室を通じて、子どもたちに「自分にはできる」という感覚を育んでほしいと願っています。
作品の出来に一喜一憂しながらも、何かを“つくる”喜び、“表現する”楽しさ、そして“認められる”うれしさを知ってほしい。
和菓子という日本の美しい文化を通じて、子どもたちの内なる力を引き出す。
それが、私の願いであり、これからの活動の原動力です。
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