今月の和菓子豆知識【にじみのひみつ編】
- こどもわがし教室 Mari Masuda

- 7月1日
- 読了時間: 4分
更新日:8月14日
こんにちは 7月のこどもわがし教室では、金魚や葉っぱを寒天に入れて仕上げましたね
先生が試作(おけいこの前に練習としてつくること)をしたとき、ある寒天をじっくり見てみると…黒い金魚はくっきり見えるのに、赤や緑はちょっとぼやけていることに気がつきました
それって、なんでだろう?和菓子ってふしぎだな、おもしろいなと思ったので、調べました 先生とおなじように気になる!とおもったひとは、ぜひ読んでみてくださいね😊

にじむ色とにじまない色のちがい
・黒色(竹炭で作った色)→ にじみにくい
・赤や緑(ビーツやクチナシで作った色)→ にじみやすい
これは「色のもと(色素)」のちがいが関係しています
竹炭の黒:にじみにくい理由
竹炭は「水にとけない粉の色」。
だから、寒天の中でもその場にとどまって動かない
ビーツやクチナシの赤・緑:にじむ理由
こちらは「水にとける色」。
寒天に水分があると、色が水といっしょにじわ〜っと広がります
さらに…時間がたつと水が出てくる!?
寒天やようかんは、時間がたつと水が出てくることがあります
これを「離水(りすい)」といいます
水が出てくると…
色もいっしょにうごいてしまう
→ 結果、にじんでしまう
そこで活躍するのが「砂糖」
砂糖には、水をつかまえてはなさない力があります
・砂糖は水をすごくひきよせる力(吸水性)を持っている
・お菓子の中に砂糖が多いと、水が砂糖にくっついて動けなくなる
・そのおかげで、水が外に出にくくなって、離水が防げるんだよ
だから、砂糖をしっかり入れておく
砂糖は、「水をつかまえる力もちのスポンジ」みたいなもの!
砂糖が多いと、水をぎゅっとつかまえて、はなさない
だから、寒天やようかんの中に水がかくれて出てこなくなるんだよ
💡砂糖が少ないとどうなるの?
水をつかまえきれずに、寒天のすきまから水が出てきちゃう
→ 時間がたつと、下に水がたまったり、色がにじんだりする
学びのポイント
にじみやすい色(ビーツ・クチナシ)を使うときは、
「砂糖の力を借りると、見た目も美しく仕上がる」
- にじむのは「水にとける色」だから
- 水が出てくると、色もいっしょに出ちゃう
- 砂糖が多いと、水をつかまえてくれる=にじみにくくなる!
和菓子づくりは、色や形を楽しむだけでなく、
なんでだろう?を見つけることで、もっと面白くなります。
来月の教室でも、小さなふしぎをいっしょに見つけていきましょうね😊
おうちの方へ──今回のテーマ補足解説
「色がにじむ・にじまない」という視点から、
寒天と色素の関係性、そして砂糖の働きについて、お伝えします。
寒天の中に入れる金魚や葉っぱなどの飾り部分には、
- 天然の着色料(ビーツやクチナシ、竹炭など)を使った寒天は、
それぞれの「にじみやすさ」に違いがあります。
にじむ・にじまないの理由は「色素の性質」
竹炭(黒)は水に溶けにくい粉体の色素なので、寒天の中でも動かず、くっきり見えます。一方で、ビーツやクチナシ(赤・緑)は水に溶けやすい色素のため、寒天の水分や時間の経過とともに、色がにじんで広がってしまうことがあります。
砂糖の役割は「保水」
和菓子づくりにおける砂糖の大きな役割のひとつが、この「水分をつかまえて離さない」という働きです。砂糖には保水性があり、しっかりと加えることで、時間が経っても離水(寒天などから水分が出てくる現象)が起きにくくなります。そのため、見た目の美しさを保つためにも、適切な砂糖量がとても大切です。
和菓子づくりで育まれる力
なぜだろう?どんな違いがあるのかな?という疑問は、単なる作業を超えて、観察力や仮説を立てる力を自然に身につけるヒントになると思いました。ご家庭でも、「なんでかな?」の視点でお子さまと会話いただく機会があると、和菓子づくりがますます豊かな時間になるかもしれません。
いつも温かいご協力、ありがとうございます🍵



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